2023年1月22日10時より、翻訳研究会会員の広川が、前年8月に提出した修士論文を発表しました。
パラテクストと文体論の理論を用いて、村上春樹著『ノルウェイの森』の英語訳が、①イギリスにおいてどのように読者に提示されてきたか、②ルービン訳とどのように異なるのか、を分析しました。イギリスにおいて『ノルウェイの森』は、オリエンタリズムの対象という初期段階を経て、英語圏における古典作品として提示されるようになり、その古典化にルービン訳が密接に関わっているということを主張しました。この研究によって、イギリスと日本における村上の文学的地位の差異が示唆されるとともに、実際の読者がどのように受容していたのかという今後の研究課題が示されました。
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