2021年5月30日、Zoom Meetingで「翻訳研究の古典を読む」読書会が開催されました。第3回となる今回は、機能主義翻訳理論の古典、Hans J. Vermeerのスコポス理論を英訳で読みました(担当:中川)。スコポス理論が発表された1980年代当時のTranslation Studiesの展開を踏まえながら、理論の概要や意義を確認しました。参加者間の議論では、当時の哲学や言語学との関わりが指摘され、逐語主義に対するアンチテーゼとしての歴史的役割がよく理解できたように思います。また、政治的観点からの批判に耐えうるのか、という点や、現代的な意義を持ちうるか、ということについても話し合いました。近年の翻訳実践や、翻訳者教育現場の状況など、具体的な事例をもとに考えることができ、理論そのものへの理解も深まったと感じています。今回の発表資料は「ダウンロード」ページから入手可能です。
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